「単身赴任は寂しい」「自由な時間がある」——どちらもよく聞く感想ですが、実はこの2つは表裏一体です。家族と離れて過ごす夜は、裏を返せば「誰にも邪魔されない自分だけの時間」でもあります。
ただし、その時間がどれだけあるのかを具体的に数字で把握している人はほとんどいません。「なんとなくテレビを見て、なんとなくスマホを触って、気づいたら寝る時間」——これを繰り返しているうちに、単身赴任の期間は終わってしまいます。
今回は、単身赴任者が使える時間を年間単位で可視化し、その時間で何が実現できるのかを、資格取得・語学習得の標準学習時間と照らし合わせながら整理します。この記事は、時間活用シリーズすべての「入口」となる内容です。
単身赴任者の可処分時間を計算してみる
まず、平日と週末に分けて、単身赴任者が「自分のためだけに」使える時間を計算してみましょう。
平日の夜
一般的な会社員の生活リズムで考えると、帰宅後から就寝までの時間は次のようになります。
- 帰宅:19:00〜20:00頃
- 夕食・入浴:1〜1.5時間
- 自由時間:20:30頃〜23:30頃(就寝前)
家族と同居していれば、この時間は育児・家事・会話に充てられることが多いですが、単身赴任者の場合はこの時間の大半が「自分だけの時間」になります。控えめに見積もっても、平日1日あたり3時間は自由に使える計算です。
平日3時間 × 週5日 = 週15時間
週末
単身赴任者の週末の過ごし方は人によって差がありますが、「毎週帰省する」という方は少数派です。多くの方は月1〜2回程度の帰省にとどまり、それ以外の週末は赴任先で過ごします。
帰省しない週末を「1日8時間の自由時間」と仮定すると(家事・買い物などを差し引いた実質的な自分の時間)、月2回帰省しない前提で計算すると、月あたり土日4日分×8時間=月32時間が積み上がります。
年間で計算すると「1000時間」に到達する
平日と週末の時間を年間で合計してみましょう。
| 区分 | 週・月あたり | 年間換算 |
|---|---|---|
| 平日の夜(3時間×週5日) | 週15時間 | 約780時間 |
| 週末(帰省しない週、月32時間) | 月32時間 | 約384時間 |
| 合計 | 約1,164時間 |
帰省の頻度や生活スタイルによって前後しますが、単身赴任者の多くは年間1,000時間前後の「自分だけの時間」を持っていることになります。
1,000時間がどれくらいの規模か、ピンとこない方も多いと思います。次の章で、具体的な学習時間と比較してみましょう。
1,000時間で何が実現できるのか——標準学習時間との比較
資格取得や語学習得に必要な標準学習時間は、各種スクール・資格団体の公表データや一般的な目安として、次のように言われています。
| 目標 | 一般的な標準学習時間の目安 |
|---|---|
| 英検準1級レベル | 400〜600時間 |
| TOEIC600点→800点 | 300〜500時間 |
| 簿記2級 | 250〜350時間 |
| ITパスポート | 100〜150時間 |
| 基本情報技術者試験 | 200時間 |
| 中小企業診断士 | 1,000時間前後 |
| 社会保険労務士 | 800〜1,000時間 |
| 中国語検定3級 | 400〜600時間 |
| 新しいプログラミング言語の基礎習得 | 150〜300時間 |
こうして並べると、単身赴任者が年間で持つ「1,000時間」という時間は、難関資格の中小企業診断士や社労士の合格ラインに届く水準であることがわかります。もう少し軽めの目標であれば、英語・語学の資格を取りながら、もう1つ別の学習を並行して進めることも十分可能な時間量です。
ただ、並行して進めるとなると、講座を別々に申し込む形では費用も手続きも重なります。時間はあるのに、始めるところでつまずく形です。
資格講座を月額でまとめて受けられるサービスなら、2つ目を足すときに申し込みが増えません。先ほどの表にある200〜350時間程度の目標を、2つ組み合わせるような使い方ができます。
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もちろん、1,000時間すべてを学習に充てる必要はありません。趣味や休息、副業、健康維持なども大切な使い道です。ですが「自分がどれだけの時間を持っているか」を知らないまま日々を過ごすのと、知ったうえで意図的に配分するのとでは、単身赴任期間の終わりに得られるものが大きく変わります。
「なんとなく過ぎる夜」を可視化する
多くの人が実感として持っているのは、「気づいたら1年経っていた」という感覚です。これは、日々の時間の使い方を意識していないために起こります。
試しに、1週間だけ「夜に何をして過ごしたか」を記録してみてください。スマホのメモでも、手帳でも構いません。
- テレビ・動画視聴:◯時間
- スマホでSNS・ネットサーフィン:◯時間
- 晩酌・食事:◯時間
- 何もせずぼーっと過ごした時間:◯時間
多くの方が、この記録を取ることで「思ったよりスマホを見ている時間が長い」「テレビをつけっぱなしにしている時間がある」といった発見をします。この「なんとなく」の時間を洗い出すことが、時間の棚卸しの第一歩です。
すべてを学習に置き換える必要はありませんが、「何にどれだけ使っているか」を把握するだけで、意識的に時間配分をコントロールできるようになります。
学習計画を立てる3ステップ
時間の棚卸しができたら、次は学習計画に落とし込みます。
ステップ1:赴任期間から逆算する
赴任期間が2年であれば、単純計算で約2,000時間の自由時間があります。「この期間で何を身につけたいか」を最初に決めましょう。目標が決まっていないと、せっかくの時間も方向性を失います。
ステップ2:週単位の学習時間を確保する
年間の目標時間を52週で割り、週あたりの学習時間を決めます。たとえば年400時間の学習が目標なら、週あたり約7.7時間。平日1時間×5日+週末2〜3時間、という配分が現実的です。
ステップ3:月1回、進捗を振り返る
学習は続けることが最も難しい部分です。月に1回、「今月は何時間できたか」「予定とのズレはどれくらいか」を振り返る日を設けましょう。ズレを早期に把握できれば、翌月の計画を微調整できます。
まとめ:時間は「あるかないか」ではなく「気づくかどうか」
単身赴任の夜は、何もしなければただ過ぎていく時間です。しかし、年間で数字にしてみると、資格取得や語学習得を実現できるだけの規模を持っていることがわかります。
- 単身赴任者の自由時間は年間およそ1,000時間
- これは難関資格の合格ラインに匹敵する水準
- 大切なのは「時間があること」に気づき、意図的に使い道を決めること
この記事はシリーズの入口として、まず「自分にどれだけ時間があるか」を自覚することを目的にしています。次回以降は、この時間を使った具体的な資格取得・語学学習・スキルアップの方法を紹介していきます。


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