単身赴任生活で、多くの人が一度は経験するのが「一人で高熱を出した日」です。誰にも頼れない部屋で、体を起こすのもつらいまま朝を迎える——そんな経験をした方も少なくないはずです。
今回から5回シリーズで、単身赴任者の「病気になったとき」に焦点を当て、実践的な備えと対処法を解説していきます。第1回となる今回は、シリーズの土台となる「元気なうちにやっておくべき備え」です。
なぜ「元気なうちの備え」が重要なのか
高熱で動けなくなった状態を想像してみてください。頭がぼんやりする中で、スマートフォンで近くの病院を検索し、診療時間を確認し、初めて訪れる病院への道を調べる——これを体調が悪い状態でやるのは、想像以上に大変です。買い出しに行くことすら難しく、冷蔵庫に何もなければ、水分すら満足に取れないまま一日を過ごすことになります。
単身赴任者には、体調を崩したときに様子を見てくれる家族がいません。だからこそ、動けるうちに備えを済ませておくことが、体調不良時の負担を大きく左右します。以下、具体的に5つの備えを紹介します。
備え①:赴任先の内科・耳鼻科・歯科を地図アプリに保存しておく
赴任してすぐの元気なうちに、自宅や職場の近くにある内科・耳鼻科・歯科を調べ、地図アプリにブックマークしておきましょう。
確認しておきたいポイント
- 診療時間(平日・土日で異なることが多い)
- 予約の要不要、初診の受付方法
- 最寄り駅やバス停からの距離、徒歩での所要時間
- 夜間や休日に対応している近隣の救急外来・休日診療所
体調を崩してから検索すると、どの病院が良いのか判断する余裕もなく、とりあえず一番上に出てきた病院を選ぶことになりがちです。元気なうちに候補を絞っておけば、いざというときに迷わず行動できます。
備え②:健康保険証(マイナ保険証)とお薬手帳を財布に常備する
体調不良になってから保険証を探し回るのは、余計な体力を消耗します。健康保険証、またはマイナンバーカードと一体化したマイナ保険証は、普段から財布や普段使いのカードケースに入れておき、すぐに持ち出せる状態にしておきましょう。
お薬手帳も同様です。単身赴任先で初めてかかる病院では、これまでの服薬状況を伝える手段がお薬手帳しかない場合もあります。紙のお薬手帳を携帯するか、電子お薬手帳アプリをスマートフォンに入れておくと安心です。
備え③:常備薬セットを一箇所にまとめておく
解熱鎮痛剤・胃腸薬・体温計・経口補水液は、単身赴任者にとっての基本的な常備薬セットです。これらを個別に部屋のあちこちに置くのではなく、一つの箱やポーチにまとめておきましょう。
体調が悪いときに、あちこち探し回らずに済むというだけでなく、まとめておくことで在庫切れにも気づきやすくなります。特に経口補水液は、発熱で汗をかいたときや、嘔吐・下痢を伴う体調不良のときに重要になりますが、体調を崩してから買いに行くのが難しい飲料の代表です。常温保存できる粉末タイプやゼリータイプを備蓄しておくと、体調不良時にすぐ使えます。
これらは体調を崩してからでは買いに行きにくいものばかりです。引っ越し直後の買い出しのタイミングで、まとめて揃えておくと確実です。
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備え④:持病の薬の受け取り方を、自宅と赴任先の両方で決めておく
持病があり、かかりつけ医から継続的に薬を処方されている方は、単身赴任先でどう薬を受け取るかを事前に決めておく必要があります。
主な選択肢
- 赴任先で新たにかかりつけ医を見つけ、処方を引き継いでもらう
- 自宅のかかりつけ医で長期処方をしてもらい、帰省時にまとめて受け取る
- オンライン診療・オンライン服薬指導を活用し、赴任先に薬を配送してもらう
どの方法が適しているかは、持病の種類や薬の性質によって異なります。かかりつけ医に単身赴任が決まった時点で相談し、赴任期間中の受け取り方法を事前に決めておくことをおすすめします。
備え⑤:会社の休暇取得ルールと連絡先を把握しておく
体調不良で出社できないとき、慌てずに済むよう、会社の休暇制度と連絡手順を事前に確認しておきましょう。
- 体調不良時の連絡先(直属の上司の連絡先、総務・人事の窓口)
- 有給休暇・病気休暇の取得ルールと、連絡のタイミング(始業何分前までに連絡が必要か等)
- 傷病手当金など、長期の療養が必要になった場合の制度の概要
これらは、実際に高熱で朦朧としている状態で調べるにはハードルが高い情報です。着任時のオリエンテーションや就業規則を確認し、いざというときに迷わず連絡できるようにしておきましょう。
「引っ越し当日にやることリスト」に病院探しを入れておくべき理由
引っ越し当日は、荷解きやライフラインの手続きなど、やることが山積みです。その中で「病院を探す」という項目は、つい後回しにされがちです。しかし、病院探しは体調が良いときにしかできない作業であるにもかかわらず、必要になるのは体調が悪くなったときという、タイミングのズレがある備えです。
だからこそ、引っ越し当日、あるいは着任後最初の週末に済ませるべきタスクリストに、意識的に「近隣病院の確認」を組み込んでおくことが重要です。ライフラインの手続きや近隣スーパーの把握と同じように、生活の基盤を整える作業の一つとして位置づけましょう。当ブログの生活立ち上げに関する記事もあわせてご覧いただくと、引っ越し当日から着任後1週間で済ませておきたい手続き全体を把握できます。
まとめ:備えは「元気なうち」にしかできない
- 高熱で動けない状態では、病院探しも買い出しもできない。だからこそ元気なうちの備えが重要
- 赴任先の内科・耳鼻科・歯科を地図アプリに保存し、診療時間・土日対応を確認しておく
- 健康保険証(マイナ保険証)とお薬手帳は常に持ち歩ける状態にしておく
- 解熱鎮痛剤・胃腸薬・体温計・経口補水液は一箇所にまとめて常備する
- 持病の薬の受け取り方を、自宅と赴任先の両方で事前に決めておく
- 会社の休暇取得ルールと連絡先を把握しておく
- 「引っ越し当日にやることリスト」に病院探しを組み込んでおく
次回は、「熱が出た日の朝、まず何をするか——動けなくなる前の初動チェックリスト」について解説します。
このブログ「単身赴任.com」では、単身赴任生活の立ち上げ・健康管理に関するヒントを発信しています。他の記事もぜひご覧ください。
※本記事の内容は一般的な備えの目安です。持病や体調に不安がある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。



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