単身赴任こそ資産形成のチャンス——二重生活費の中でNISA・iDeCoを続ける方法

お金・手続き

単身赴任が決まると、家賃・光熱費・生活雑貨など、これまで一つで済んでいた支出が、赴任先と自宅の「二重生活費」としてのしかかってきます。会社から住宅補助が出るケースもありますが、それでも食費や交通費、帰省費用などは実質的に負担が増えることがほとんどです。

こうした状況になると、まず見直しの対象になりやすいのがNISAやiDeCoといった積立投資です。今回は、二重生活費を抱えながらもNISA・iDeCoを続けるための考え方と具体策を紹介します。

まず「止める」前に確認したい2つのこと

iDeCoとNISAでは、止めたときの扱いが違う

iDeCoは掛金の拠出を停止しても、資産運用そのものは継続されますが、拠出を止めている期間は「運用指図者」という扱いになり、口座管理手数料だけがかかり続けます。積み立てができない期間が続くと、手数料負担だけが残ってしまう点に注意が必要です。

一方、NISA(新NISA)は毎月の積立額を自由に変更・停止できます。非課税枠は翌年以降も基本的に再利用可能な仕組みになっているため、iDeCoに比べると一時停止・再開のハードルは低めです。

まずはこの違いを理解した上で、「完全に止める」のではなく「減額する」という選択肢を検討することをおすすめします。

会社の住宅補助・単身赴任手当を再確認する

家計が苦しいと感じたとき、意外と見落としがちなのが会社側の制度です。単身赴任手当、住宅補助、帰省旅費の補助など、制度として用意されているにもかかわらず申請し忘れている、あるいは制度自体を把握していないケースもあります。

投資額を減らす前に、まずは総務・人事に確認し、活用できる制度をすべて洗い出しておくことが、家計改善の第一歩になります。

積立額を「ゼロにしない」ための3つの工夫

1. 積立額を減らして継続する

赴任直後で支出の見通しが立たない時期は、無理に元の積立額を維持しようとせず、一時的に減額するのが現実的です。たとえば月3万円の積立を1万円に減らすだけでも、「投資を完全にストップした」場合と比べて、複利の効果を途切れさせずに済みます。金額よりも「積み立てを止めない」ことを優先する、という考え方です。

2. ボーナス月の設定を活用する

証券会社によっては、毎月の積立とは別に「ボーナス月」を設定し、特定の月だけ多めに積み立てることができます。単身赴任中は月々の積立額を抑えつつ、ボーナス支給月にまとめて積み立てることで、年間の投資額を確保するという方法も有効です。

3. iDeCoは掛金の下限(月5,000円)を活用する

iDeCoは月々5,000円から掛金を設定でき、1,000円単位で増減が可能です。家計が厳しい時期は、いったん下限まで下げても拠出を続けることで、前述の「運用指図者」への切り替えを避け、口座管理手数料の負担を抑えることができます。落ち着いたタイミングで、再び掛金を引き上げれば問題ありません。

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二重生活費との付き合い方を見直す

赴任先の固定費を圧縮する

投資額を確保するためには、赴任先での固定費そのものを見直すことも重要です。家賃・通信費・光熱費といった固定費は、一度見直すとその効果が毎月継続するため、外食を我慢するといった変動費の節約よりも効率的です。格安SIMへの乗り換えや、電力会社の見直しなど、赴任先での契約を機に固定費を圧縮しておくと、投資に回せる余力が生まれやすくなります。

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「実家と赴任先、どちらの口座から引き落とすか」を整理する

夫婦で家計を共有している場合、NISAやiDeCoの引き落とし口座が、単身赴任前と変わらないままになっていることがあります。単身赴任後の収支バランスが変わったタイミングで、投資の引き落とし口座やタイミングを一度整理し、どちらの生活費から投資額を捻出するのかを明確にしておくと、家計管理がしやすくなります。

家族と「投資継続の優先順位」を共有しておく

二重生活費で家計が厳しくなると、投資について家族の間で意見が割れることもあります。「今は生活を優先すべきでは」という声が出るのは自然なことです。だからこそ、なぜ投資を続けたいのか、どのくらいの期間・金額であれば続けられそうかを、事前に家族と共有しておくことが大切です。金額や期間について合意ができていれば、赴任期間中に家計の状況が変わっても、慌てずに調整しやすくなります。

おわりに

単身赴任による二重生活費は、家計にとって大きな負担であることは間違いありません。しかし、NISAやiDeCoは「金額の大小」よりも「続けること」に価値がある制度です。完全にストップするのではなく、減額や制度の使い分けによって、無理のない範囲で積み立てを継続する方法を探ってみてください。単身赴任という一時的な負担に振り回されすぎず、長期的な資産形成の視点を持ち続けることが、将来的な安心につながります。

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