単身赴任中に「保険」を見直した話——一人だからこそ考えるべき死亡・医療・就業不能リスク

お金・手続き

単身赴任が決まったとき、引っ越しや新生活の準備で頭がいっぱいになり、保険のことは正直二の次でした。荷物の整理、新居の契約、家族との生活リズムの調整……。やることが多すぎて、「保険なんて今のままで大丈夫だろう」と思い込んでいたのです。

ところが赴任して数ヶ月経ったある日、一人で夜中に体調を崩したことがありました。熱を測る人もいなければ、薬を買いに行ってくれる人もいない。布団の中で「もし今、自分が大きな病気になったらどうなるんだろう」「もし自分がいなくなったら、家族の生活はどう変わるんだろう」と、ふと不安が頭をよぎりました。

それをきっかけに、独身時代から見直していなかった保険を、単身赴任という新しい生活環境に合わせて見直すことにしました。今回は、その過程で気づいたことや、実際に見直した内容についてまとめます。

なぜ単身赴任は保険を見直す良いタイミングなのか

単身赴任は、家族と離れて一人で生活する期間です。普段なら家族がすぐに気づいてくれるような体調の変化も、一人だと発見が遅れがちになります。風邪をひいても「誰かに頼る」という選択肢がなく、自分で全部対応しなければなりません。

また、「何かあったときにすぐ駆けつけてくれる人がいない」という状況は、独身時代の一人暮らしとは少し違う種類のリスクを伴います。独身時代は自分一人の生活を守ればよかったのに対し、単身赴任中は赴任先の自分の生活と、地元に残った家族の生活の両方を支えている状態です。自分の収入が止まったときの影響範囲が、独身時代よりも大きくなっているのです。

こうした背景から、単身赴任は「自分の保障が今の生活に合っているか」を一度立ち止まって確認する良いタイミングだと感じました。

死亡保険——「自分がいなくなったら家計はどうなる」を考える

最初に見直したのは死亡保険です。実は私が入っていた死亡保険は、独身時代に勧められてそのまま契約したもので、保障額も当時の感覚で決めたものでした。結婚や子どもの誕生、住宅ローンなど、生活の状況が大きく変わっているにもかかわらず、保障額は一度も見直していませんでした。

そこで、紙に書き出してみることにしました。

  • 残された家族が生活していくための毎月の生活費
  • 子どもが独立するまでにかかる教育費の見込み
  • 住宅ローンの残債(団体信用生命保険でカバーされる部分とされない部分)
  • すでに持っている貯蓄や、配偶者の収入で対応できる範囲

こうして「もし自分がいなくなったら、いくら必要になるか」を整理してみると、今の保障額では数百万円単位で不足していることが分かりました。逆に、子どもの成長に合わせて必要な保障額は年々減っていくはずなので、保障期間が長すぎる契約になっている部分もありました。

死亡保険は「とりあえず入っておく」ものではなく、「いくら必要か」を一度きちんと計算したうえで選ぶものだと、今回あらためて実感しました。

医療保険——一人だからこそ「入院・通院」のリスクに備える

次に見直したのは医療保険です。単身赴任先で病気やケガをした場合、家族が近くにいないため、入院中の身の回りのサポートを誰にも頼れません。洗濯物を届けてもらうことも、付き添ってもらうことも難しく、何かあれば基本的に自分一人で対応することになります。

経済的な面でも、入院が長引けば差額ベッド代や、退院後の通院にかかる費用、赴任先と自宅を往復する交通費など、想定外の出費が重なる可能性があります。私が入っていた医療保険は、入院給付金の日額が低めに設定されていて、通院治療への備えも手薄でした。

見直しのポイントとしては、以下のような点を確認しました。

  • 入院給付金の日額が、差額ベッド代や生活費の不足分をカバーできる金額か
  • 通院での治療(がんの通院治療など)にも給付金が出るタイプか
  • 先進医療や手術への保障があるか
  • 持病がある場合、引受基準緩和型などの選択肢も含めて検討する必要があるか

一人暮らしでは「体調が悪くても誰も気づいてくれない」という状況もあり得るため、早期に病院を受診しやすくなるよう、通院費用への備えを手厚くする方向で見直しました。

就業不能保険——「働けなくなったら収入がゼロになる」リスク

意外と見落としがちだったのが、就業不能保険です。病気やケガで長期間働けなくなった場合、会社員であれば健康保険から傷病手当金が支給される制度がありますが、給付期間や金額には上限があり、収入をすべてカバーできるわけではありません。

単身赴任中は、赴任先の住居費(社宅費の自己負担分や、生活費)と、地元に残った家族の生活費という、いわば二重生活を支えている状態です。もし収入が一定期間減ってしまうと、その影響は独身時代よりも大きく、家計への打撃も深刻になります。

就業不能保険は、所定の状態で働けなくなった場合に、毎月一定額の給付金を受け取れる保険です。今回の見直しでは、この就業不能保険を新たに検討対象に加えました。具体的には、

  • 会社の傷病手当金や、貯蓄でどのくらいの期間をカバーできるか
  • その期間を超えて働けなくなった場合、毎月どのくらいの不足が出るか
  • 不足分を補う形で、就業不能保険の給付額を設定する

という考え方で、必要な保障額をざっくりとイメージするようにしました。

実際に見直してみて分かったこと

保険の見直しは、正直に言うと思っていたよりも時間がかかりました。複数の保険会社やインターネットの保険相談サービスを利用して資料を取り寄せ、内容を比較するだけで1ヶ月近くかかりました。

その過程で一番驚いたのは、「今の保障内容を自分が正確に把握していなかった」ことです。保険証券は引っ越しの荷物の奥にしまったままで、何にどれだけ入っているのか、改めて見るまで覚えていませんでした。これは私だけでなく、多くの人にあてはまるのではないかと思います。

単身赴任という生活環境の変化は、こうした「見直しのきっかけ」をくれる良い機会だったと感じています。

保険を見直す際に気をつけたいポイント

今回の経験を振り返って、保険を見直す際に意識しておくとよいと感じたポイントを整理してみます。

  • 保障額は「現在の生活」に合わせて見直す。独身時代や昔の契約のまま放置しない
  • 死亡保険は、残された家族に必要な金額を具体的に書き出してから検討する
  • 医療保険は、入院だけでなく通院治療への備えも確認する
  • 就業不能時の収入減リスクも考慮し、傷病手当金や貯蓄で足りない部分を整理する
  • 複数の保険会社・代理店・相談サービスを利用して比較検討する
  • 最終的な判断は、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家にも相談しながら行う

まとめ

単身赴任は、住む場所や生活リズムだけでなく、「もし自分に何かあったら」という視点でも、生活環境が大きく変わるタイミングです。だからこそ、死亡保険・医療保険・就業不能保険といった「もしも」に備えるための保険を見直す絶好の機会でもあると感じました。

この記事はあくまで私自身の体験に基づくものであり、特定の保険商品やプランをおすすめするものではありません。保険は家族構成やライフプラン、収入状況によって最適な内容が大きく異なるため、実際に見直す際は、複数の情報源を比較したうえで、ファイナンシャルプランナーや保険の専門家に相談しながら、自分自身の状況に合った形で検討することをおすすめします。

同じように単身赴任をされている方にとって、この記事が保険を見直すきっかけの一つになれば嬉しいです。

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